2025年10月8日頃、Google AdSenseユーザーのもとに届いた「リファラー広告クリエイティブ(RAC)に関する検索向け AdSense ポリシーの更新」のメール。
「リファラー広告クリエイティブ(RAC)」という聞き慣れない言葉が並び、「何か設定しないとアカウント停止になるの?」と不安になった方も多いと思います。
この記事では、今回のAdSenseポリシー変更(RAC義務化)について、初心者にもわかるようにやさしく整理します。
対象になる人・ならない人、対応が必要な場合の対処法を順に見ていきましょう。
AdSenseから届いた「RACポリシー更新」メールの内容
Googleから届いた「リファラー広告クリエイティブ(RAC)に関する検索向け AdSense ポリシーの更新」のメールの主な内容は次のとおりです。
2025年11月1日より、リファラー広告クリエイティブ(RAC)パラメータの指定を義務化します。
外部ソース(SNSや提携先など)から「コンテンツ ページの関連する検索」を含むページにトラフィックが流入する場合、
該当する広告や投稿のクリエイティブ内容を正確に指定してください。
ざっくり言えば、
「外部からアクセスが来るとき、どんな広告や投稿を通じて来たのかをGoogleに伝えてください」
という内容です。
ぼくも最初は「これは面倒なことになったな」と思った
正直に言うと、ぼくも最初にこのメールを流し読みしたとき、「これは大変だ…」と思いました。
動画やSNSから誘導するたびに「どんな言葉でリンクしたかをURLに書かなきゃいけないのか?」「映像のテロップや言葉まで“文字起こし”するの?」と、かなり面倒そうに感じたんです。
しかも、受講者さまや初心者ブロガーの皆さまに「AdSenseを使ってみよう」と勧めにくくなるな…… という印象すら持ちました。
けれど、よく読んで調べてみると、今回の変更は「すべてのユーザー」が対象ではないとわかりました。おそらく、ほとんどの個人ブロガーは、実は何も対応する必要がありません。
RACポリシーの対象になるのはどんな人?
Googleが今回対象にしているのは、「コンテンツ ページの関連する検索」という広告ユニットを使っている人だけです。
つまり、通常の「ディスプレイ広告」や「記事内広告」、「Multiplex広告(関連記事風のブロック)」、あるいは「自動広告(Auto Ads)」などを利用しているだけなら、今回のRACは関係ありません。
✅ 対象になるケース
- サイト内に「関連する検索」ユニットを設置している
- そのページに、SNS・YouTube・メルマガなど自分が運営する外部ソースからアクセスがある
❌ 対象外(何もしなくてOK)
以下のいずれかに該当する場合は、RACパラメータの設定は不要です。
- 通常のディスプレイ広告のみを使用している場合
(記事中広告・インフィード広告・アンカー広告・サイドバー広告など)
→ 一般的なAdSense広告であり、「関連する検索」ユニットとは別形式のため対象外です。 - Multiplex広告(旧マッチドコンテンツ)を利用している場合
→ 記事下などに関連記事+広告を表示するレコメンド型ユニット。検索型広告ではないため対象外です。 - 自動広告(Auto ads)を利用している場合
→ Googleが自動的に最適な広告を挿入する機能。RAC対象の「関連する検索」には含まれません。 - アフィリエイト広告のみ掲載しており、AdSenseを使用していない場合
→ ASP経由の広告(A8.net、もしもアフィリエイト、バリューコマースなど)はGoogle広告ネットワーク外です。 - 「関連する検索(Related Search)」ユニットを設置していない場合
→ 今回のRACポリシー変更の対象はこのユニット限定。設置していなければ何もする必要はありません。
きっと、ほとんどのブロガーは、この「対象外」にあたります。だから慌てる必要はありません。
「関連する検索」ってどんな広告?
「関連する検索(Related Search)」は、Googleが提供する検索型の広告ユニットです。
記事の中や下などに「関連トピックの発見」という表示と合わせてキーワードがリストになったリンクを見たことはありませんか?
クリックすると、Googleの検索結果ページ(または広告ページ)に移動します。このユニットを設置しているページが、RAC義務の対象です。
「お客様が管理するソースからトラフィックが流入する」とは?
通知文では少し難しく書かれていますが、意味はこうです。
「あなたが運営しているSNSやYouTube、メルマガなどから、“コンテンツ ページの関連する検索ユニットを含むページ”へアクセスがあった場合」
つまり、関連検索ユニットそのものにトラフィックが来るわけではありません。「そのユニットを設置したページにアクセスがある」ことを指しています。
「RAC(リファラー広告クリエイティブ)」とは何か?
RACとは、アクセスがどんな広告・投稿を通じて発生したかを示すためのパラメータです。
仕組みはとてもシンプル。外部からブログへリンクを貼るときに、URLの末尾に「referrerAdCreative」を付けます。
https://example.com/?referrerAdCreative=ブログで詳しく解説しています
このように、誘導に使った言葉(クリエイティブ)をテキストとして追加します。Googleはその情報をAIで分析し、広告の品質や信頼性を判断できるようにしていく、という流れです。
GoogleがRACを導入する目的
RACの目的は、広告トラフィックの透明化と品質向上です。SNSや動画経由のアクセスが増える中で、誇張された広告コピーや誤解を招く誘導も増えています。
GoogleはAIを使って広告の信頼性を自動判定し、
- 不正クリックの排除
- 誤誘導の防止
- 広告主とユーザーの信頼回復
を進めたいということだと思います。
つまりRACは、「広告の透明性を高めるためのタグ付け」という位置づけ。誠実な発信者を守るための制度とも言えます。
自分のサイトが対象か確認する方法
RAC対応が必要かどうかは、AdSense管理画面で簡単に確認できます。
- AdSenseにログイン
- 左側メニューの「広告」→「広告ユニット」をクリック
- 「関連検索」または「related search」という名前のユニットがあるかチェック
なければ、あなたはRAC対象外です。
設定も対応も必要ありません。
対応が必要な人がやること
もし「コンテンツ ページの関連する検索」ユニットを設置していて、SNSやYouTubeからそのページに誘導している場合は、次のどちらかで対処できます。
対応方法①:誘導リンクにRACパラメータを付ける
https://example.com/?referrerAdCreative=動画で紹介した内容をブログで詳しく解説
URLの末尾に、誘導文をテキストとして追加します。
対応方法②:「関連する検索」ユニットを外す
SNSやYouTubeからのリンク先のページには「コンテンツ ページの関連する検索」ユニットを貼らない運用もおすすめです。これならRAC対象から外れるため、安心して誘導できます。
まとめ|最初は驚くけれど、冷静に見れば対象は限定的
状況 | 対応 |
---|---|
コンテンツ ページの関連する検索を使っている | RAC設定またはAdSenseを外す運用へ |
通常の広告ユニットまたは自動広告のみ | 対応不要 |
ASP経由のアフィリエイトのみ | 対応不要 |
ぼくも最初は「これはやっかいな変更だな」と感じましたが、実際には「関連する検索」ユーザーに限った話です。
Googleが進めているのは、広告の透明化と、正しい発信者を守る仕組みづくり。誠実にコンテンツを発信しているブロガーにとっては、むしろ安心できる方向性です。