最近、個人ブログを運営している方の間で「相互リンクしませんか?」というオファーが急増しています。大人のためのアフィリエイト講座の受講者さまの相談も、以前より明らかに件数が増えています。
いま、なぜこれほど“相互リンク”が増えているのか。そして、個人ブログは受けるべきなのか、断るべきなのか。ここを一度整理しておきたいと思います。
企業側が積極的に相互リンクを求める理由
背景には「AI検索の評価傾向」があります。
従来の検索は「情報の量・網羅性」が強く評価されていましたが、2024年頃からのAI検索では「どのサイトが信頼に値するブランドか」の指標が一段と重視されるようになりました。
そのため、企業メディアは
・さまざまなドメインから被リンクを集めたい
・ブランド価値を高めたい
・AI検索で優先的に扱われたい
という意図から、相互リンクを広範囲に打っています。
つまり リンクを“もらう側”には明確なメリットがある という構造です。
Googleの公式見解:やり方次第では「リンクスパム」
一方で、相互リンクのオファーを受けて、どちらかというと「渡す側」となる個人ブログは注意が必要です。
Googleは検索品質を守るため、ランキング操作を目的としたリンクをリンクスパムとして扱い、スパムポリシー内で次のように記載しています。
- 過剰な相互リンク
- リンクのみを目的としたパートナーページ
- 関連性の低いサイト間のリンク
- SEO目的だけで貼られた不自然な外部リンク
これらを過剰に行った場合、 “手動ペナルティ” の対象になることがあります。
SEOを強くする目的「だけ」でリンクを貼ってしまうと、それはGoogleにとって「ユーザーの役に立っていない」リンクと判断されてしまうわけです。
ただ、このあたりは著名なサイトや信頼できる企業からのオファーであるならば、オファーを出す側もオファーする相手を厳選しており、やみくもに相互リンクのオファーを行っているわけではありません。
相互リンクのオファーを受けるということは、それだけ記事やブログが露出していて評価されてのことですから、オファーを受けたならぜひ自信を持ってください。
相手先が信頼できるならという条件付きですが、関連性の高い記事同士、ブログ同士であり、読者の利便性に合致するものであり、相互リンクを行うことは決して悪いことではありません。
個人ブログが本当に評価されるのは「熱量」と「一次性」
企業メディアは情報量や組織力で優位に立てますが、個人が勝てる領域はまったく別のところにあります。
それは、
・実際に使った・試したという「体験」
・作品やサービスへの「愛情」
・一次情報だからこその「実感」
・ユーザーに寄り添う「距離の近さ」
これらが、AI検索と非常に相性が良く、Googleが重視する E-E-A-T(特にExperience) に直結します。
リンクよりも “伝わる文章・熱量” のほうが、今のSEOでは評価されます。
結論:相互リンクは「やってもいいが、やらなくても困らない」
相互リンクの依頼は、試してみたいなら1件〜数件受ける程度は問題ありません。しかし、個人ブログにとっては必須施策ではなく、むしろ優先度は低めです。
なぜなら、
・リンク設置・管理に時間が取られる
・「効果:小〜限定的」×「管理コスト(主に管理のリソース):中〜高」になりがち
だからです。
ぼく自身の運用方針
ぼく自身が運営しているブログや、穏やか暮らし研究所宛にもここ数ヶ月で相互リンクのオファーを複数いただいていますが、いまのところお受けしていません。(返信も省略させていただいています)
リンクを貼るための調整やチェックに時間を使うよりも、実際に触れてよかった作品や商品・サービス、考えが深まった経験、読者の役に立つ発信を丁寧に積み上げるほうが、結果的に自然な評価につながるからです。
まとめ|いま必要なのは「リンクより、信頼」
相互リンクの流行は、AI検索が「信頼性」を重視するようになったことの表れです。しかし、その恩恵が大きいのは“リンクを集めたい側”であり、リンクを“渡す側”の個人ブログではありません。
個人が本当に育てるべき資産は、リンク数ではなく 「誰が、どんな想いで書いているのか」という“文脈から生まれる信頼”です。
急いでリンクを増やす必要はありません。あなたのペースで、あなたの言葉を積み重ねること。結局はそれが、これからの検索時代における最も自然で、最も強いSEOになるとぼくは考えています。


